「まさか優勝できると思っていなかった。すごくびっくりです」。全日本を連覇した福原は、かみしめるように喜びを表現した。決勝の相手は2年連続で石川。ロンドン五輪女子団体で銀メダルを獲得した仲間でもある。福原は「石川さんが勝ち上がってくるだろうと予想していた」と言う。序盤は石川の鋭く変化を利かせたレシーブに苦しんだ。第1ゲームを落とし「勝てないかなと思った」。弱気も顔をのぞかせ、ゲームカウント1-2ととリードを許した。

 しかし、その後はラリーで徹底して石川の体の中心を狙い、時折フォア側深くへ打ち込むことで的を絞らせず、リズムに乗った。続く3ゲームを連取。「すごく集中していた。このボール(で流れが変わった)とか、全く覚えていない」と振り返る。

 五輪後の昨年8月下旬右肘を手術。リハビリでは肘の稼働域がなかなか元に戻らなかったという。実戦復帰は12月。全日本も「初戦で負けてしまうかもしれない」と不安を抱えて臨んだ。それだけに、自信を深める連覇となった。「1試合ずつ自信を取り戻せた。もっともっと強くなりたい」。晴れやかな笑顔で言った。

【2013年1月20日付しんぶん赤旗に掲載】