試合内容に不満は残ったが、それでも錦織圭は勝負どころを押さえ、1セットも落とさなかった。「70点ぐらい。感覚が少し合っていなかった」。微妙な自己採点も、裏を返せば高い目標設定があるからにほかならない。左ひじに不安を抱え、猛暑もあり動きは硬かった。持ち前の正確なショットも精彩を欠いたが、ここぞという場面では地力を発揮した。

 タイブレークの末に第1セットを先取して迎えた第2セット。先に格下のベルロクにブレークされる落ち度を、1-3からの4ゲームを連取で相殺した。「毎ポイント完璧なプレーをしなくても、大事なところを取れば、今日のように勝てる」。全豪は昨年、4大大会で自身初めてベスト8入りした好相性の大会。まさに勝ち方を心得ている。
【2013年1月17日付しんぶん赤旗に掲載】