日本共産党志位和夫委員長は28日、山梨県昭和町で開かれた党演説会で、「憲法9条を壊すか、9条を生かした平和日本をつくるかという歴史的岐路です」として憲法問題が総選挙の重大争点になっていると指摘し、「日本共産党は憲法9条を守る先頭に立って頑張りぬきます」と表明しました。

 
志位氏は、自民党や維新の会が「集団的自衛権行使の明確化」などと述べていることについて、「集団的自衛権」とは、日本がどの国からも攻撃されていないのに、アメリカが海外で戦争を始めたら自衛隊が一緒に戦争を行うというもので、「『集団的侵略』がその正体です」と批判しました。自民・安倍晋三総裁が「軍事同盟とは血の同盟」と述べたことに触れ、「『アメリカのために血を流す軍隊になれ』ということです。憲法を最も乱暴に破壊する暴挙は断じて許せません」と強調しました。

 その上で
志位は、同時並行で明文改憲の動きが起こっていると指摘。自民党が9条2項を変えて「国防軍」保持を書き込む「憲法改正」をめざすと政権公約に明記し、民主党も前原誠司国家戦略担当相が9条2項を変えて「自衛権」を明記すべきだと公言したことをあげあした。志位氏は「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とした9条2項は「世界に誇る平和憲法の一番の核心です」と強調。「自衛隊は明らかに憲法違反の軍隊ですが、2項はぼろぼろにされながらも、なお、平和を守る偉大な力を発揮してきました。2項があるために、歴代政府も『海外での武力の行使はできない』といわざるをえませんでした」と述べました。

 
志位氏は、9条2項の制約を取り外したら、「国防軍」と書こうと「自衛権」と書こうと、日本は海外で戦争をする国に変わると述べ、「戦争のない世界」をめざす世界の流れにまったく逆行し、世界で孤立することになると強調。「日本が戦後、軍隊によって1人の外国人も殺さず、一人の戦死者も出していないのは、9条2項の力です。これを壊して、『殺し、殺される国』にしていいのか」と批判し、「憲法9条を断乎として守り抜く国民多数派をつくろうではありませんか」と訴えると、大きな拍手がわき起こりました。