<前回に続く>
 私たちは、水と空気、食べ物、太陽のエネルギーがあることではじめて生きていられます。原発はひとたび事故を起こせば、今の人類では制御できないのです。地球のすべての命を育むメカニズムを破壊しています。野田首相は「停電すれば命の危険にさらされるひともでる」と意って大飯原発を再稼働させました。新たな原発もつくろうとしています。

 福島原発の事故で地球全体を放射能で汚染し、今なお現在進行形で未来が危ない状況なのに、なぜ、こんな判断ができるのでしょうか。3・11から何も学んでいない、現実をわかっていないと言いわざるを得ません。地

 球の豊かな未来をつくるために、できることをしなければいけないのに、それに反するスイッチを入れている。電力不足で命の危険にさらされる人を救うためには、自家発電の供給など別の方法が、しかも、ずっと安価でできるはずです。

 戦後の日本社会は、経済成長という名のもとで便利さやお金ばかりが重視され、命の大切さが忘れられてきました。原発はその象徴です。私たちは3・11を経験し、これまでの暮らし方、働き方、価値観、日本社会の在り方を根幹から変えないといけません。もう、2度とそして絶対に原発事故を起こしてはならないのですから。

【2012年10月28日付しんぶん赤旗に掲載】