ぜひ、知っていただきたいのは、「共産党」という名前には、1世紀近い党の歴史と未来社会の理想が刻まれていることです。1922年に誕生した日本共産党は、戦前の天皇による専制政治と、そのもとでの侵略戦争・植民地支配に命がけで反対を貫きました。他のすべての政党は侵略戦争を推進したため、戦後は同じ党名で国民の前に出られませんでした。

 平和と民主主義の旗を掲げ不屈にたたかい続けた歴史はいま、
日本共産党がアジアと世界で道理にたった野党外交を進めるうえで生きた財産となっています。領土問題で道理ある解決の提案ができるのも、侵略戦争と植民地支配に命がけで反対を貫いた歴史をもつ党だからです。

 
日本共産党は戦後、大国の横暴も許さない自主独立の立場を確立。アメリカの支配や旧ソ連、中国による無法な干渉をはねかえし、「社会主義」を看板にした覇権主義、自由と民主主義の抑圧を厳しく批判し続けてきました。「読売」特別編集委員の橋本五郎氏は、不破鉄三社会科学研究所所長の『時代の証言』への書評で「その(旧ソ連と中国の)圧力に徹底的に抗しながら、『自主独立路線』を貫いてきたことは十分に評価すべきだろう」と書いています。

 未来社会への展望でも
日本共産党は、「すべての人間の自由な発展」を最大の特徴とする未来社会を目指しています。社会主義とは無縁な人間抑圧型の体制をすすめた旧ソ連とは正反対の社会です。そもそも「共産主義」という言葉は、「共同体」を意味する「コミューン」から来ています。搾取や抑圧、戦争のない、本当に平等で自由な人間社会をめざす理想が込められています。
【2012年10月23日付しんぶん赤旗に掲載】



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