「激論!瀬戸際の日本外交」と題する20日のテレビ朝日系「朝まで生テレビ」で、日本共産党小池晃政策委員長は、各党政治家や元外交官らと議論しました。司会は田原総一朗氏。尖閣問題について元外交官の孫崎亨氏は、尖閣諸島の魚釣島はカイロ宣言などを根拠に「中国からいえば日清戦争で日本が盗取したもの」だと主張しました。これに対し小池氏は、「日本の領有の正当性は明白」と述べ、日清戦争の下関条約を結ぶ交渉でも中国側は尖閣の領有権を主張しておらず「盗取ではない」と強調。「中国が尖閣周辺に海洋資源が発見されるまで一度も領有権を主張していないことが決定的だ」と語りました。

 
小池は、問題解決のためには「領土にかかわる紛争が存在することを日本政府が認め、事実に基づいて冷静な外交交渉をする必要がある」と主張。これまでの交渉で尖閣問題を「棚上げにしながら、その後は“領有問題は存在しない”という対応だから、結局、ニホンのいうべきことを言っていない」と歴代政府の姿勢を批判しました。

 ロシアとの領土問題をめぐっては2001年のイルクーツク声明プーチン・森会談)が話題になりました。
小池は、同声明について「歯舞、色丹の2島返還で幕引きになる危険があった」と指摘。中西輝政・京都大学名誉教授も「小池さんの言う通り」と述べ、イルクーツク声明の問題点に同調しました。

 
小池は、歯舞・色丹は北海道の一部であり、日本にただちに返還することは当然だとした上で、全千島の返還こそ必要だと強調。「旧ソ連のスターリンが領土不拡大の原則を破って、全千島の領有を宣言したことを正す外交姿勢を一度もやっていないことが最大の問題」と指摘。「領土交渉は、あくまで歴史的な事実と道理をつらぬくべきだ」と述べました。

 日米同盟をめぐっては、「対中国の抑止力としての日米同盟が必要だ」(自民党の山本一太参院議員)との意見に対し、
小池は「尖閣についてはアメリカも外交的解決を望んでいる。21世紀の東アジアの情勢を考えれば、冷戦時代と同じ発想ではダメだ」と批判しました。
【2012年10月21日付しんぶん赤旗に掲載】