私たちの体は、骨や血液、筋肉、臓器などさまざまな器官、組織で成り立っています。それぞれの器官や組織でつくっているのは、形態や機能の異なる細胞です。しかし、これらの細胞も、もとは1個の細胞(受精卵)でした。

 このように、受精卵はあらゆる細胞に分化する能力(多能性)をもっていますが、分化が進むにつれて多能性は失われます。皮膚や心筋をつくる細胞(体細胞)が別の種類の細胞になることはふつうありません。

 山中さんは、この“常識”を打ち破り、ヒトの皮膚の細胞から、どんな細胞にもなる能力を持つ「人口多能性幹細胞(IPS細胞)をつくり出しました。<後略>

【2012年10月9日付しんぶん赤旗に掲載】

松下ゆたかのコメント この記事は「赤旗」9日付の15面に掲載された間宮利夫氏の解説記事です。難しい学問の内容を、誰にも分かるように解き明かしてくれました。長文なので割愛せざるを得ないのが残念です。

 いずれにしても山中伸弥さんの功績は大であり、人類への貢献です。「再生医療」と「難病」対策に活用できる展望が開けてきました。何よりも日本を覆う暗雲のような閉塞感を打ち破るビッグバンであることは確かでしょう。山中先生の努力と、日本の科学の発展に乾杯!そしてあっぱれ!