30日のNHK「日曜討論」で、日本共産党志位和夫委員長が9月20日に政府に申し入れた「外交交渉による尖閣諸島問題の解決を」の提言が議論されました。出席者からは、「『領土問題は存在しない』という立場をあらため、外交交渉によって日本の領有の正当性を堂々と主張し、解決を図る立場にたつべきだ」という日本共産党の考えに賛意を示す意見が出されました。

 番組では、司会の島田敏男・NHK解説委員が「先日、
日本共産党志位委員長が官邸まで行って『“領土問題が存在しない”という前提を変更すべきだ』という申し入れをした」と紹介。アーミテージ元米国務副長官がNHKのインタビューに「アメリカから見れば尖閣諸島の領有権はいまも係争中」と答えたことを引き、出席者に意見を求めました。

 これに対し、五百旗頭(いおきべ)真・前防衛大学校長は「現に(中国側から)異議申し立てが激しくあるなかで、『(領土問題は)ない』と言ってものを言わないのは、やはりマイナス。しっかり日本側の主張を言って、自分たちの正当性を語る、備えは専守防衛でやっておくことが大事だ」と発言。村田晃嗣・同志社大学教授も「まったく同感」としました。天児(あまこ)慧・早稲田大学大学院教授は「アーミテージ氏の発言は「問題解決のためには、日本は今までの態度ではなく、正面から向き合って議論しろという(日本政府への)メッセージだ」と述べました。

【2012年10月1日付しんぶん赤旗に掲載】

松下ゆたかのコメント 私自身も、玄葉外務大臣や前原政調会長が「領土問題は存在しない」と“◆◆のひとつ覚え”のように発言しているのを見て、半月ほど前のブログ記事で批判しました。

 共産党が『提言』を発表する前に書いたので、いささか心配しましたが、「共産党員でよかった」と感激しています。きょうの記者会見での野田首相の発言は「従来通り」です。きっと、NHKの「日曜討論」も見ていないのでしょう。

 野田内閣が、何回「改造」しても、国益を失うばかりです。せめて、外務大臣だけでも志位さんに相談したらよかったのにと思いました。