原子力規制委員会の事務的機能をはたす原子力規制庁が20日から本格的に業務を開始しました。しかし、原子力の「推進」と「規制」の分離をうたい文句にしたはずの規制庁の幹部には、経済産業省などで原子力を推進してきた官僚がズラリと名前を連ねています。これで厳しい規制ができるのかーー。

 元原子力委員会委員長代理であり、原発推進の立場に立つ田中俊一氏を国会の同意を得ず、委員長に任命した規制委員会の人事強行とともに批判の声が上がっています。

 事務局となる規制庁の職員は473人ですが、原発を推進してきた経済産業省原子力安全・保安院などの職員が横滑りしました。環境省出身でナンバー2の次長となtった森本英香氏(55)は、21日の初の定例会見でさっそく、次のように発言しています。原発で重大事故が起きた場合などに、規制委員会の委員らを補佐する「対策委員」の人選について、専門家であれば電力会社などに、所属する原発推進派でも問題ないと、述べたのです。

【2012年9月25日付しんぶん赤旗に掲載】

松下ゆたかのコメント このナンバー2の初記者会見の初発言は、「われ推進派」を宣言する確信犯的発言で、言語道断です。アメリカの規制庁は職員数だけで3000人もいて、原発の安全管理にしっかり仕事をしています。日本の規制庁、スタートからこんな体たらくでは心配です。腐りきった原子力推進行政を変えるために力を合わせましょう。