<「浸水しても安全」は間違い>

 中部電力は津波が防潮堤を越えて原発建屋周辺に浸水しても安全という立場です。しかし、原発のような危険なプラントでは、その発想自体が間違っています。原発建屋は船ではないので、もともと水につかって大丈夫な設計になっていません。扉からの浸水を防ぐ水密化を施したとしても、津波とともに押し寄せてくるガレキの衝撃に耐えられるかどうか不明です。扉が開いているときに津波に襲われることもあるし、地震で扉が壊れることもあります。

 さらに原発建屋には配管がたくさん通っています。地下にはドレンという下水管もある。私自身が浜岡原発で経験したのですが、ドレンが図面に載っていないことがありました。つまり、建屋内に通じる“穴”の存在に気づかないこともありうる。すべての穴を水が通らないようにふさぐのは、無理があるのです。

 そもそも浜岡原発は東海地震の想定震源域にあります。アメリカには近くに断層が発見されたことで建設を中止した原発もあります。危ない地域に原発をつくらないのは当たり前のことです。日本で一番リスクが高い浜岡原発は、すぐに廃炉にすべきなのです。

【2012年9月9日号しんぶん赤旗日曜版に掲載】