野田首相は7日の記者会見で、原子力規制委員会の委員長と委員の国会同意人事案について、「残念ながら、十分に了解を国会のなかで得られる状況ではない」「したがって、私の指名という形でスタートさせていただき、しかるべきときに国会の同意を得られるように努力させていただきたい」と述べました。

 原子力規制委員会設置法は国会閉会や衆院解散で同意を得ることができない場合に首相による任命を認めています。しかし、人事案は通常国会会期中に衆参両院に提示されたものの、原発推進論者を委員長にあてるなど人事の内容に異論が強いことから、民主党が党内から造反が出ることを恐れて採決を見送ったのです。

 国会閉会後の任命になることを国会での同意見送りの理由に挙げる首相発言は、国会の役割を否定し、冒とくするものです。

【2012年9月8日付しんぶん赤旗に掲載】