元ビートルズのメンバー、故ジョン・レノンの息子でミュージシャンのショーン・レノンさんは、28日付の米紙ニューヨーク・タイムズに寄稿し、ジョンがニューヨーク州内で購入した農地を含む環境が天然ガス開発により破壊されかねないと開発反対を唱えました。米国では、固い頁岩(けつがん)層から生産する「シェールガス」と呼ばれる非従来型の天然ガス資源がブーム。原発事故後の日本でも、将来の有力な輸入資源として注目されています。

 農地はかって、ジョンと妻のオノ・ヨーコさんが趣味で酪農をしようと購入。最近、地元の高校で開かれたシェールガス開発計画の説明会で、会社側が反対意見に聞く耳を持たない姿勢だったことから、ショーンさんは開発実態を調べました。

 天然ガスは温室効果ガスの排出が比較的少ないなど環境にクリーンなエネルギーと位置づけられますが、ショーンさんは、生産の際に有害物質を含む大量の水が使われており、「実は汚いエネルギーだ」と批判。生産開始から20年以内にガス井戸などから漏れるメタンは、二酸化炭素より105倍も強力な温室効果ガスであり、「気候にもやさしくない」としています。

 天然ガス関連団体の宣伝攻勢に対抗しようと、ショーン・レノンさんとオノ・ヨーコさんは開発反対のアーティスト団体を設立したといいます。
【2012年8月31日付しんぶん赤旗に掲載】