スペインでは中央政府が緊縮政策の一環として、非正規移民15万人に対する無料医療サービスを禁止する措置を決めたことに、自治州や医師に抗議と拒否の動きが広がっています。

 中央政府の計画は9月から、非正規移民への無料医療を打ち切るというもの。17自治州のうちカタルーニャ、アンダルシアなど5州はすでに非正規移民に対する無料医療の継続を表明しています。北部アストゥリアス州の病院で働く専門医のアルバロ・ゴンサレス氏は、「(医療禁止を定めた)新法は正しくないし、効率的でもなく、公的医療制度にとって無意味だ。移民が医療制度を破壊しているというウソの神話に基づいている」と主張し、反対運動の先頭に立っています。

 国民党が与党の地域でも、皆保険制度に相反するものだと、政府の計画に反対を表明する医師がいます。正規の医療を受けられない移民が緊急医療室にあふれ、かえって国の負担を増やすことになると主張しています。<中略>
【2012年8月27日付しんぶん赤旗に掲載】