昨夜、NHKスペシャルを観た。「終戦・なぜ早く決められなかったのか?」▼最高会議の裏側再現 隠されたソ連参戦情報 ▼結論出さないトップーそして多数の犠牲者がーーという長いタイトルだったが、見ごたえ十分だった。「戦争指導会議」には首相、陸相、外相など6人が居並び、長時間の会議を度々開くが結論が出ない。

 “重大な戦局”という点では認識を共有しているが、戦争終結への確たる発言をする者が1人もいない。内心では「終結させたい」と思っていても、「相手に一撃を加えてから」の主戦論に妥協してしまう。そういう会議がくり返される。また、アメリカが戦後のソ連脅威を考慮して、ソ連参戦前に日本と終戦合意を図ろうと動いていることを軽視し、この有力情報を「謀略」として排除してしまったために、早期終結のきっかけを逃してしまった。

 最悪なのは、「ソ連参戦近し」の確たる証拠を陸相がつかんでいたのに、この情報を内密にしていたために、日本への参戦を準備しているソ連に何と「仲介を頼む」というアホなことをしてしまう。結局、本音を言わず、自分の面子(メンツ)を守ることに汲々として機能しない会議をくり返していたのだ。

 この無責任で無能な連中が無為・無策の会議をくり返している5ヶ月の間に、銃弾も食料も枯渇した兵隊が太平洋全域で壊滅的打撃を受け、シベリアに抑留され、沖縄を占領され、本土空襲を受け、遂に広島・長崎に次々と原爆を投下されて、日本中が焼土となったのである。6人のうち自決したのが1人、あと5人は病死した。

 NHKスペシャルを観ていて、終戦前夜の日本の指導者と3・11後の政治の指導者が酷似しているとつくづく感じた。独裁政治でもボンクラ政治でもないまともな政治をつくるためには、国民とともに歩む政治しかあるまい。90年の歴史をもつ
日本共産党を大きく強くすることが急務と考える。