格差と貧困、生活保護をめぐり、反貧困ネットワークの宇都宮健児代表とフォークシンガー南こうせつさんとの対談が11日、大分市でありました。「反貧困全国キャラバン2012」の一環で、市内の弁護士らでつくる反貧困ネットワーク大分が主催しました。両氏は「神田川から40年ーー4畳半ソングの時代と今、貧困はどう変わったか」の題で対談。南氏はデビュー当時を振り返り、「物はなかったが貧困ではなかった。4畳半で仲間と夢をいっぱい語り合えた素晴らしい青春時代だった」とのべました。

 宇都宮代表は「貧しさと貧困は違う」とのべ、派遣村などの活動を例に「いったん仕事を失うと住む家も失う。田舎に帰っても仕事がない、友達がいないなど、社会的・人間的に孤立しているのが現代の貧困」と指摘。複数家族世帯での餓死や孤立死が多発する一方で、生活保護バッシングや社会保障改悪の動きがあり、「ますます社会保障が受けにくくなることを危惧する」と語りました。

 南氏は「際限のない生産・小費の拡大ではなく、思いやりや分け合いの精神で経済や制度を変えていかないと地球はもたないのではないか」とのべると、宇都宮氏は、「普通に働けば生活できる環境づくりは政治の責任。私たちも声を広げていきたい」と述べました。
【2012年8月12日付しんぶん赤旗に掲載】