8月1日、男子200メートル平泳ぎの決勝が行われた。3連覇への最後のチャンスとなった北島康介は最初から猛然と飛ばしトップに立ったが、最後は力尽き4位に終わった。

 立石諒(りょう)は北京5輪の代表を逃した後は苦難の連続で移籍先も見つからず、米国に武者修行に行くなどしたが水泳を断念しようと悩んだこともあった。帰国後、高校時代の恩師や周囲の支援で水泳を続けることが出来た。

 その2人が並走し、デッドヒートを繰り広げた。「ラスト50メートルの勝負になるのは分かっていた。最後は死んでもいいと思っていた」という立石の死力がわずかに優っていたのか、立石が0秒06の僅差で銅メダルを手にした。

 私は、北島に花道を飾ってもらいたかったが、若い立石にバトンタッチできて良かったとも思う。北島は3位に入ったライバルの立石に「おめでとう」と声をかけて喜びを共有した。「自分の泳ぎができた」とインタビューに応え、北島の顔は晴れ晴れとしていた。北島選手の果たした功績は大きく、今後とも次世代のアスリートの力になってほしい。北島康介と立石諒の活躍にあっぱれ!