真夜中の午前3時に起きてテレビを点けたらバドミントン女子の藤井・垣岩チームがリードして熱戦を繰り広げていた。相手チームはどこの国かは覚えていないが黄色のユニホームだった。これまで日本のバドミントンチームがオリンピックで活躍したことはなく、感心もなかった。

 ところが強力チームが4つも失格となる事件が発生し、俄かファンになり、初めて見たのである。すでに日本チームが1セットを先取し、2セット目もリードし決勝進出目前だった。「ヨシッ」と喜んでいると、相手チームが追い上げ、あっという間に逆転されてしまった。

 「自分が見たから逆転された」と思いこみ、チャンネルを変えて競泳に熱中した。すると、しばらくして、「バドミントン女子が決勝進出」とテロップが流れたのである。「やっぱり自分が見なかったから勝ったのだ」と思い、チャンネルを戻すと、2人の選手がだきあって喜んでいたのである。

 とにかく良かった。おかげで2人の先取の顔も覚えたし、バドミントンのファンになることが出来た。それにしても「無気力試合」で失格になった8人の選手は愚かだった。決勝トーナメントの組み合わせを考えての“戦略”だったかもしれないがオリンピック精神を冒とくするものであり、一生悔いを残すことになろう。

 実はある日本チームでも、決勝トーナメントの組み合わせを有利にするために「ドロー」(引き分け)を演出したところがある。前半は新人選手をそろえて、後半はベテラン選手を投入したが、監督は「絶対に点を入れないこと」と念押しをしているのである。監督に対する選手の信頼を壊すもので、非常に残念でならない。もし、組織委員会で事態を把握したら、日本チーム失格となるであろう。私も大好きな監督ですが、重大な反省を求めるものである。