「赤い2階建て」で知られるロンドンのバスを運航する約2万人の労働者が、ロンドン5輪とパラリンピック期間中の臨時ボーナス、平均577ポンド(約7万円)を勝ち取り、24日に計画したストライキを中止しました。バス労働者を組織している労組ユナイトが組合員による職場投票を17日に実施し、71%が会社側との取り決めに賛成しました。労組はこの問題で6月22日にストを実施。その後、仲裁機関に持ち込まれていました。

 ユナイトのロンドン地域の書記長カバナー氏は、「ほぼ1年を通じた運動の結果、5輪期間中のロンドンで人びとの移動を維持することにバス労働者が貢献するということがようやく認められ、公正な取り決めとなった」と英メディアに語っています。

 ロンドンのジョンソン市長も「グッド・ニュース」と妥結を歓迎。市は、会社が労働者の賞与へ回すことを条件に、期間中の増収分をバス運営会社と分け合う方針を示していました。

 地下鉄など他の交通機関の労働者の5輪賞与は500~900ポンド。ユナイトは「5輪期間中、バスの乗客が少なくとも80万人増える」と主張し、、バス労働者に対する公平な賞与を求めていました。
【2012年7月23日付しんぶん赤旗に掲載】

松下ゆたかのコメント さすが資本主義の先進国イギリスの労働組合は大したものです。黒字の地下鉄まで売り飛ばす大阪市の橋下市長に、ロンドン市長の「グッド・ニュース」の話を聞かせたい。私が19歳のときに東京オリンピックが開かれ大変な盛況でしたが、乗客の増大を理由にストライキを決行したり「臨時賞与」を勝ち取ったという話は聞いたことがありません。

 国が豊になることは1人ひとりの労働者や国民がゆたかになることです。国民から税金を搾り取ることに「命をかける」とくり返す首相の存在こそ国を亡ぼすことになると心配しています。ところでオリンピック招致に一生懸命な石原都知事さんは、都バスや地下鉄の労働者に「臨時賞与」を考えているのでしょうか。“日本の常識・世界の非常識”といつまでも言われるようでは困ります。