政府は19日、東京電力の家庭向け電気料金の値上げ幅を平均8・47%とする方針を決定しました。9月1日から実施します。今回の値上げは東電の存続を前提にしたもの。福島第一原子力発電所事故のツケを利用者に回すことは許されません。標準家庭の電気料金の値上げ額は360円前後に縮小する見込み。申請時は479円でした。

 東電は家庭向けの値上げ決着を受け、企業向け料金の値上げ幅も現在の16・39%から、14%台後半に抑制します。新たな企業向け料金は4月にさかのぼって適用します。

 東電の人件費については、一般社員の年収は20%減の現行水準を維持しますが、管理職の減額拡大により全社員平均の削減幅は今後3年間で23・68%になります。また、健康保険料の企業負担割合を法定限度の50%に引き下げるほか、持ち株奨励金などを廃止することで福利厚生費も減額します。

 一方、東電福島第一原発1~4号機の安定化費用や賠償対応に伴う経費、第1原発5、6号機と第2原発1~4号機の減価償却はいずれも原価への計上を認めました。
【2012年7月20日付しんぶん赤旗
に掲載】

松下ゆたかのコメント 今回の値上げについては、被災地をはじめ多くの国民は納得していません。あくまでも「存続」前提の東電支援策です。企業存続として税金1兆円をいれ、国民と事業者が料金値上げに協力するというものです。しかも、原発ゼロを宣言した福島県内の原発経費を見込んでいるなど、脱原発の流れに逆行する内容です。政府は原発に依存しないエネルギー政策への転換を早急に決断し、多様な再生エネルギーを育てていくべきです。