米海兵隊の垂直離着陸機MV22オスプレイが2000年に墜落して19人が死亡した事故を受けて、米国防総省の「国防分析研究所」が03年12月にまとめた内部文書に、同機はエンジン停止時でも安全に着陸できる「オートローテーション(自動回転)能力」が「欠如している」と明記していることが分かりました。

 この文書は、「V22の払しょくできない安全性への懸念」という題名で、海兵隊大尉だった軍事評論家のカールトン・メイヤー氏が内部告発で入手。同氏は「赤旗」の取材に対して、「IDAに所属していたレックス・リポロ氏が執筆した」と明らかにしました。リポロ氏は09年に米議会公聴会で証言し、、オスプレイの欠陥を指摘したことで知られています。

 米国防総省は、改善措置をとったとして07年からオスプレイを実戦配備しましたが、最近も墜落事故が相次いでいます。メイヤー氏は「配備強行の背後に米議会や軍事産業の圧力がある。米軍最大のスキャンダルだ」と憤ります。
【2012年7月8日付しんぶん赤旗に掲載】