オーストラリア政府は1日、二酸化炭素(CO2)の排出量に応じて事業者に支払いを求める炭素税を導入しました。炭素税は、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの中でも最も比重の大きいCOl2を対象としたもので、すでに欧州やニュージーランドで導入されています。

 英BBC放送によると、オーストラリアの二酸化炭素の排出量は、世界の総量の1・5%ですが、人口1人当たりの排出量では世界のトップレベル。ギラード首相は昨年7月の同税計画発表時に「炭素に値段をつけ、クリーン・エネルギーの未来を創造する」と表明していました。

 同税は、1トン当たり23豪ドル(約1875円)を課税。対象は発電会社や鉱山会社など約300社です。2015年にはCO2排出量を売ったり買ったりできる排出量取引制度へ移行する計画で、20年までに、2000年比で5%のCO2排出量の削減を目標にしています。

 課税によって電気料金に上乗せが予想されますが、労働党のギラード政権は、年金額をすでに引き上げ、また家族手当の増額など低収入層への影響を抑える政策を実施するとしています。一方、財界や野党の自由党などは、電力などの消費者への負担を重くし経済成長を押し下げると批判し、反対。次の総選挙の一大争点となる見込みです。
【2012年7月3日付しんぶん赤旗に掲載】

松下ゆたかのコメント 私は、このニュースを見て、オーストリアの政治は健全に機能していると思いました。地球温暖化対策に真面目に取り組んでいるし、その財源を環境税にしていることです。消費税の増税だけが目的で遮二無二押し通すようなどこかの国とは雲泥の違いです。健全な政党政治を確立させるために、力を合わせましょう。