ロンドン5輪の開幕まであと1ヶ月余りとなった25日、東日本大震災で2歳の娘を亡くした仙台市のホテルマン、三品(みしな)貞治さん(31)が、聖火ランナーとして英国中部リーズ近郊の街を走った。

 震災当時、三品さんは、職場の仙台市内のホテルで宿泊客の安全確保に追われた。だが、その時、宮城県多賀城市の自宅が被災、保育園に通っていた長女が津波に流され、約1週間後に遺体で見つかった。悲しみを乗り越え、4月に職場に復帰。連日、深夜までホテルの営業再開に尽力する姿に心を打たれた上司が、聖火ランナーの公募に推薦した。

 ロンドン5輪組織委員会は、「想像を絶する痛みを抱えながら、同僚や顧客のために懸命に働いた三品さんは、日本の誠実さや、団結精神の見本だ」と、三品さんをランナーに選んだ。

 娘の写真が入ったペンダントと一緒に約400メートルを走った三品さんは「地元の人たちの声援が多くて嬉しかった。復興がまだこれからの被災地のために走りました。皆さんに感謝したい」
【2012年6月26日付「毎日」に掲載】

松下ゆたかのコメント 今朝の毎日新聞の1面の上部に、カラー写真とともに紹介された記事を読んで感動しました。三品さんとロンドン5輪組織委員会と感動をひろげた毎日新聞にあっぱれ!