東京電力福島第一原発事故で被ばくしたのは、東電幹部らが安全対策を怠ったためだとして、福島県の市民団体のメンバーらが11日、業務上過失致傷などの疑いで、幹部ら33人の告訴状を福島地検に提出しました。同地検は「真摯(しんし)に対応し、受理できるか検討していく」としています。

 告訴したのは事故当時、福島県に住んでいた1324人。メンバーらは非難・復旧作業中に体調を崩したり、自殺したりしたケースについても、同致死傷容疑で告発上を提出しました。

 告訴団長の武藤類子さんは記者会見で、「責任をきちんと問わなければ本当の意味での復興はあり得ない。告訴・告発はこれから社会をつくる子どもたちに責任を果たすことだ」と話しました。
【2012年6月12日付
しんぶん赤旗に掲載】

松下ゆたかのコメント 今回の福島第一原発の事故について、被災者のみなさんが東電の幹部らを告発したことは、画期的であり注目したいと思います。東電は「安全神話」をふりまき、防災対策をおろそかにしてきました。ところが重大事故が発生するや「想定外」という言葉を乱発し、賠償なども不熱心です。大企業の社会的責任を果たさせる健全な社会をつくるためにも、司法の場で争うことは意義あることと考えます。