国の基準では水俣病と認められない被害者に対する救済策の申請を7月末で打ち切る問題で横光克彦環境副大臣は8日、被害者掘り起こし検診について 「申請を締め切った後は、慎んでもらいたい。他の団体にも迷惑」と述べました。

熊本県内での被害者団体意見交換会で発言しました。これにたいし、掘り起こ し検診に取り組んでいる水俣病不知火(しらぬい)患者会は9日、被害者救済に逆行する暴言と横光副大臣の辞任を求める抗議声明を出しました。 

横光氏は7、8日に水俣病被害者11団体と個別に面談。最大の被害者団体・不知火患者会の大石利生会長は7日に会い、天草市議会による水俣病救済 打ち切り反対請願採択などの動きを紹介。申請期限延長や集団検診への国の医師派遣などを求めましたが、横光氏の具体的回答はありませんでした。 

自らの発言について横光氏は「7月末で一応期限が来るので期限までに掘り起こしてという趣旨。締め切りを望む団体もあり、そういう団体にとっては迷惑になるという意味」と釈明しました。 

不知火患者会の大石会長は「私たちと会った時には『すべての被害者の救済』を言いながら、別の団体には掘り起こし検診否定発言。救済に幕を引きた いあらわれ」と指摘。林田直樹事務局長は「環境省の本音がでている。あたう限り救済するとした法の趣旨に反し被害者切り捨ての歴史を繰り返すもの」と批判 しています。
【2012年4月10日付しんぶん赤旗に掲載】