職も住居も失った被災者の暮しに対し、野田内閣の対応は冷たさが際立ちます。失業手当の延長は打ち切りです。仕事を奪われた被災者の命綱なのに、国は失業手当で「就労意欲が薄れる」などと主張。「職に就けない人を見捨てるのか」と日本共産党塩川鉄也議員が迫ると「就労支援に力を入れる」(小宮山洋子厚労相)と的外れの答弁で突き放しました。

津波被害の大きい沿岸部では水産加工業などの復旧が進まず、求人は建設関係の短期・低賃金の仕事に偏る状況です。「意欲がないのではない。仕事がない」と怒りの声が広がっています。被災3県の失業手当受給者は6万人近くに上り、このままでは3月に7千人、9月末には全員が打ち切られます。収入のない失業者が大量に生まれかねません。「失業手当が切れれば、休職のために被災地を離れる人が増え、復興の担い手が失われる」(塩川議員)という切迫した状況です。

2月末までとされていた医療・介護の自己負担免除でも、被災者は冷たい対応に苦しみます。日本共産党高橋ちづ子衆院議員田村智子参院議員らの申し入れなどに押され、国は一部延長を決めたものの、病院や介護施設の食費・居住費の免除は打ち切りました。「月3万円の負担になる」「ディサービスの利用を減らすしかない」との悲鳴の声が上がっています。

いまなお3万人を超す被災者が仮設住宅などで避難生活を強いられ、負担能力を失ったまま健康が悪化する懸念に直面しています。野田政権には、被災地の現状を放置せず、被災者・住民の命と健康を守る責任があります。仕事の場を作り出し、地域経済を再生させるためにも、被災業者に対する支援の抜本的拡充が必要です。個々の事業者の施設復旧と事業立ち上げを直接支援する制度が求められています。

野田首相は3月11日の「追悼式」で約束した国の責任を果たすために、政権の命をかけて全力をあげなさい。