障害者自立支援法{廃止」の公約を反故(ほご)にして、同法の延命法案の提出を狙う民主党は8日、障害者団体関係者らへの説明会を開催。提出予定法案は「みなさんの提言実現への大きな一歩」(岡本座長)などと言い訳とごまかしに追われました。会場には300人近くが駆けつけ、民主党をただす声が相次ぎました。

政府・与党が提出しようとしている法案は自立支援法の「一部改正案」の位置づけで、障害者が生きるために必要な支援を「益」として原則1割の利用料負担を強いた同法の根幹を変えていません。また、給付を制限する「障害程度区分」についても「3年後の検討」とするなど廃止を先送り。基本理念に「社会参加の機会の確保、どこでだれと生活するかの選択の機会の確保」などを盛り込みましたが、「可能な限り」との文言が書き込まれました。岡本座長は名称変更などをもって「実質的に廃止される」と強弁し、「今後、政権がかわっても当事者参加の仕組みを盛り込んだことが前進。まず、法案を通していただきたい」との姿勢に終始しました。

民主党政権の依頼を受けて新法の提言を出した障害者制度改革推進会議・総合福祉部会の佐藤久夫部会長は「『骨格提言』(11年8月)が生かされたという印象がもてない」と発言。基本理念に「可能な限り」の文言が挿入されていることについて、「これでは基本理念がかすむ。削除すべきだ」との声が続出しました。当事者の願いに背を向けて法案をかくぎ決定しようとする民主党政権に障害者の怒りが高まっています。
【2012年3月9日付「しんぶん赤旗」に掲載】