日弁連の宇都宮健児会長は27日、小川敏夫法相に対し、死刑制度の廃止を検討するよう求める要請書を手渡しました。日弁連によると、同様の要請書を野田首相にも提出しているといいます。要請書は、国会に死刑問題調査会を設置するとともに、死刑制度に関して検討している省内勉強会に外部有識者を入れ、議論が尽くされるまでは刑の執行を停止すべきだとしました。冤罪(えんざい)による死刑を防ぐための緊急措置として、死刑確定者と弁護人の立会人なしでの接見や、再審請求による死刑の執行停止などを求めました。

提出後に記者会見した宇都宮会長は「裁判員裁判が始まり、市民が人の命を奪う判断を迫られる時代になった今こそ、冷静な議論が必要だ」と語りました。
【2012年2月29日付「しんぶん赤旗」に掲載】