沖縄県名護市辺野古への新基地建設に向けた環境影響評価(アセスメント)を受託した複数の建設コンサルタント業者に、防衛省、国土交通省、のOBが天下っていることが26日までに、「しんぶん赤旗 」の調べでわかりました。

同アセスを受託した業者は、那覇市の「いであ沖縄支社」と、同県うるま市の「沖縄環境保全研究所」。「いであ」本社には、2010年に南関東防衛局管理部長などを歴任した防衛省OBが、同年7月に顧問として就職。同社広報担当者は「防衛省関係の仕事で助言してもらっている」と述べます。「いであ」本社の幹部には、国交省のOB複数が名を連ね、常務の1人は沖縄総合事務局の平良港工事事務所長を務めていました。「沖縄環境保全研究所」には、09年6月に沖縄防衛局金武(きん)防衛事務所の所長を務めたOBが「企画アドバイザー」として就職しました。

「いであ」と「沖縄環境保全研究所」は共同で、09年と11年に沖縄防衛局が発注した新基地建設事業やそのアセスにかかわる資料作成業務3件を契約。そのほか09年から11年に、新基地建設にかかわるキャンプ・シュワブの周辺陸域生物・水域生物の調査業務を同2社が分け合うように契約し、これらの合計契約額は約34億円です。

「沖縄環境保全研究所」から同陸域生物調査にかかわる地形・地下水調査を下請けした東京の「パスコ」にも、09年8月に九州防衛局管理部長だったOBが常勤顧問として就職しています。

同アセス評価書は県民などからの批判が高まっています。防衛省などのOBの天下り業者が評価書にたずさわっていることからも、客観性や信頼性が疑われる“お手盛りアセス”と言えそうです。
【2012年1月27日付「しんぶん赤旗 」に掲載】