文部科学省が、福島第一原発からの放射性物質の拡散方向などを予測する緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムの計算結果を、事故後、公表前に外務省を通じて米軍に提供していたことが明らかになりました。16日行われた国会の事故調査委員会で同省の渡辺格・科学技術学術政策局次長が委員からの質問に答えました。

渡辺次長は「米軍には外務省経由で流れていたことを承知している。提供したのは3月14日。支援してもらうためだった」と述べました。スピーディの計算結果が公表されたのは3月23日で、米軍屁の提供より9日後ということになります。

スピーディの計算が実施されていたにもかかわらず公表が遅れ、非難の際に活用されなかった問題については、政府の事故調査・検証委員会の中間報告でも「情報が提供されていれば、各地方自治体および住民は、より適切な避難経路や非難方向を選ぶことができた」と批判されています。

渡辺次長は「公表については認識がなかった。公表については原子力災害対策本部で検討することになっていたので、遅くなった」と述べました。
【2012年1月18日付「しんぶん赤旗 」に掲載】

松下ゆたかのコメント

30分程度の違いでなく、「9日間」という違いはどんな理由があっても許されません。何よりも住民の非難を優先すべきなのに、9日間も情報を抑えていたとは信じられません。国民の命と財産を守る最重要の仕事もできない文科省に喝ッ!