民主党は17日の政治改革推進本部役員会で、衆院比例定数80削減法案を通常国会に提出することを確認しました。「1票の格差」是正を口実に、自民党が主張する現行300小選挙区の「0増5減」案を採用することと合わせて決めました。役員会は18日の同本部総会に提案します。

また、野田佳彦首相は、同日の内閣記者会のインタビューに答え、国会議員定数削減と国家公務員の給与削減について「通常国会中に結論を出す。結論を出すということは(関連法案の)成立を期すということだ」と明言しました。消費税増税の前に民意封殺の比例定数削減を断行する構えを改めて示したものです。

比例代表部分は現行制度でもっとも民意を反映するものです。それを削減すれば、大政党に有利な小選挙区制による民意のゆがみを極端に拡大することになります。しかも、民主党も自民党も消費税を10%とすることでは完全に一致しています。比例定数の削減は、増税に反対する世論と少数政党を国会から締め出すものにほかなりません。

国会の議席は民意を国政に反映する手段であり、政治家が“身を切る”などと言って勝手に切り売りできる私物ではありません。民主党案は、民意を封殺して国民に増税を押し付けようとするものであり、最悪の民主主義破壊です。
【2012年1月18日付「しんぶん赤旗 」に掲載】