2つの“太陽”を同時に仰ぎ見るー。まるでSF(サイエンス・フィクション)の世界に出てくるような惑星を2つ見つけたー。米航空宇宙局(NASA)が打ち上げたケプラー宇宙望遠鏡の観測データを解析した国際研究グループが11日付の科学誌『ネイチャー』電子版nい発表しました。

ケプラー宇宙望遠鏡は、太陽系外の恒星の周りを回る惑星を探すため、2009年に打ち上げられた衛星です。惑星が恒星の前を横切るときに、恒星の明るさが変化することを利用して惑星を探し出します。

研究グループは、白鳥座nお方向、地球から約4900光年離れた「ケプラー34」と、同じく約5400光年離れた「ケプラー35」と名づけられた天体の観測データを解析しました。その結果、これらの天体はどちらも2つの恒星が両者の重心の周りを回る連星系であることがわかりました。

さらに、それぞれの連星系に木星のようなガス惑星の「ケプラー34b」と、「ケプラー35b」が存在することを確認しました。ケプラー34bは質量が木星の22%、半径76%で、公転周期が約289日、ケプラー35bは質量が木星の13%で、半径が73%、公転周期が約131日と見積もられました。

ケプラー宇宙望遠鏡の観測データからは、すでに、連星系「ケプラー16」の周りを回る惑星「ケプラー16b」が見つかっています。研究グループは、発見の頻度からみて、銀河系(天の川銀河)には連星系の周りを回る惑星が数百万は存在するとしています。
【2012年1月12日付「しんぶん赤旗 」に掲載】