フリージャーナリストの辛 仁夏さんが、1月7日付の「しんぶん赤旗」に、今年、飛躍が期待されるテニス界の若きヒーロー・錦織 圭(にしこり・けい)について書いている。その概要について、紹介する。

日本男子テニス界のきらめく星として、いま最も注目を集める錦織圭選手(22)が、いよいよ今年、世界のトップ10入りを目指します。本人も「ランキングを少しずつ上げて、トップ10を狙いたい。また、グランドスラム大会で結果を出したい」と意気込みを語っています。

昨年の世界最終ランキングで25位に到達し、目標だったトップ30をクリアしました。開幕売り変えました時は98位でしたが、4月のヒューストン大会で準優勝してトップ50の仲間入り。10月にはベスト4、準優勝と好成績を出しつづけ、一気に目標を達成しました。過去の日本男子最高ランクは、1992年に松岡修造選手が記録した46位でした。それを大幅に塗り替えました。

ここまで、ケガが多く決して順風満帆ではありませんでした。2009年には右ひじを疲労骨折、8月に内視鏡手術を受けます。翌シーズンの序盤までケガを引きずりましたが、見事に復活を遂げて100位以内にランクを上げて迎えたのが11年でした。

昨季から新体制を敷く「チーム錦織」は、元世界ランク1位のアンドレ・アガシ選手らを指導し、現役時代は世界ランク4位まで上り詰めたブラッド・ギルバート氏と、錦織が所属するIMGニック・ボロテリー・テニスアカデミーの名指導者として知られるダンテ・ボッティーニ氏のコーチ2人体制。ギルバート氏は技術的な面を、ボッティーニ氏は、戦略や相手の分析などを担当しているといいます。とくに、適切な指導に定評があるギルバートコーチは、錦織にディフェンス力を身につけることを課しました。

これまで攻撃一辺倒だったスタイルから、守りを意識したプレーが加わり、幅の広がりが生まれました。「どの選手でも勝てると、自分を信じられるようになった。この2大会でトップ10に勝った自信があるので、さらに上をめざせると思う」と語っています。