野田佳彦内閣は24日、2012年度予算案を閣議決定しました。一般会計の総額は90兆3339億円(前年度比2・2%減)となりました。特別会計に計上された東日本大震災の復興予算や一般会計に計上された基礎年金の国庫負担引き上げ財源などの「別枠」分を含めると実質的には過去最大に膨れ上がりました。年金財源は、10年代半ばに消費税率を10%に引き上げることを前提として、これを「先食い」します。

日本共産党市田忠義書記局長 は同日、予算案について談話を発表しました。

◆年金引き下げをはじめ社会保障を切り捨て、国民の暮らしに背を向ける一方で、大企業と富裕層減税を温存するとともに、軍事費を増額し、大型開発を復活させるなど、自民党政権とまったく変わらないものとなった。民主党政権が、財界、アメリカいいなりという自民党の悪政の完全な後継者となったことを示す予算案である。

◆社会保障では、老齢年金、障害年金、児童扶養手当などを削減し、介護保険料も大幅値上げとなる。子ども手当て削減と年少扶養控除廃止で、自公政権時代の児童手当と比べてもマイナスとなる子どもが数百万人にもなるなど、子育て予算も削られた。しかも、これは第一歩にすぎず、年金支給開始年齢の68~70歳への先延ばし、医療費の窓口負担の引き上げなどの連続改悪に突き進む計画が立てられている。その一方で、基礎年金国庫負担の財源として「交付国債」を発行し、招来の消費税増税分を充てるとしている。国会での審議はおろか、与党内でさえ異論が噴出している消費税を、すでに決まったかのようにして「先食い」することは許されない。

◆震災復興のための特別会計が創設されるが不十分(略)。

◆予算の浪費(略)。

◆国債発行額は、民主党政権になって3年連続して44兆円となり、「隠れ借金」である「交付国債」を合わせれば47兆円という、当初予算としては史上最大の規模に達した。この行き詰まりを消費税増税と社会保障の連続削減、環太平洋連係協定(TPP)参加などによって突破しようという民主党政権のやり方は、国民の暮らしを破壊し、内需をさらに冷え込ませ、経済も、財政も悪化させるものである。(後略)。