農林水産、厚生労働両省は21日、今年7月に輸入された米国産牛肉に特定危険部位の脊柱のかけらが含まれていたことを確認したと発表しました。政府は、BSE(牛海綿状脳症)が発生した米産の牛肉輸入条件として脊柱の除去を求めており、両省は出荷した施設からの輸入を停止しました。2006年7月に米産牛肉の輸入を再開して以来、特定危険部位が見つかったのは4例目。

両省によると、牛肉は、米食肉大手スイフト社のグランドアイランド工場(ネブラスカ州)で処理されました。ジャパンフード(東京都港区)が冷凍牛肉461箱(約19トン)を輸入、うち1箱(28キロ)から見つかりました。厚労省は、残る460箱について関係自治体に調査を依頼しました。

米産牛肉をめぐっては、厚労省が19日、輸入条件の緩和を食品安全委員会に諮問しました。しかし、消費者団体からは、米国の特定危険部位の除去対策が改善された証拠がないなどの理由で反対する声があがっていました。今回のことは、そうした指摘を裏付けるものです。
【2011年12月22日付「しんぶん赤旗 」に掲載】

松下ゆたかのコメント

政府はTPPを前に、アメリカ産牛肉の輸入緩和を実施しようとしていましたが、その矢先に、危険部位の混入が発覚しました。こんなことで規制を完全に自由化したら大変なことになります。

アメリカでは牛のエサに「肉骨粉」(にくこっぷん)を食べさせていますが、この中には牛の骨なども含まれています。人間の食料のみならず、自然界でも哺乳類の“共食い”はあり得ません。私は、自然界の掟(おきて)に反するようなことは改めるべきであると考えます。“それぞれの国の文化とルールをこわすTPP”。--ゴリ押しは亡国への道ではないでしょうか!