1969年に始まったテレビ時代劇「水戸黄門」が、19日放送の最終回スペシャルで42年の幕を閉じました。最後の黄門となった里見浩太郎さん(75)は、59年の映画版を含めると、格さん、助さん、黄門さまの3役を演じた唯一の役者です。

最終回スペシャルでは歴代の格さん役、横内正さん(初代)、大和田伸也さん(2代)、伊吹吾郎さん(3代)の3氏がそろって出演しました。疾風(はやて)のお絹役の由美かおるさんや、高橋元太郎さんが演じる、うっかり八兵衛も登場し、まるで同窓会のようなベストメンバーの総出演となりました。

諸国を漫遊しながら、庶民を苦しめる悪代官を懲らしめる。勧善懲悪の痛快さと義理と人情を絡めたストーリーは、世代を超えて支持を集め、いっときは40%を超える高視聴率になりました。

里見さんは、しみじみ語ります。「たくさんあったテレビ時代劇が自然淘汰されていって、最後に残ったのが『水戸黄門』。母親を大事に、きょうだい仲良くといった心のあり方が、ドラマの中に組み込まれていたからここまで長続きできたのかな、と思いますね」・・・。

2時間スペシャルは長いようであっという間に終わりました。俳優のみなさんを初め、大道具、小道具、衣装山などたくさんのスタッフのみなさん、長いこと茶の間を楽しませてくれ有難う。この時代劇の灯を消さないようにしてほしい。庶民を苦しめる極悪非道の輩(やから)を懲らしめるためにも、次なる時代劇の登場に期待したい。