全日本教職員組合(全教)の北村佳久委員長と長尾ゆり副委員長は9日、東京都内で記者会見し「放射能汚染・放射能被害から子どもたちを守るために」と題する提言を発表しました。


提言は、東京電力の福島第一原発事故から9ヶ月たった今も事故が収束できず、汚染が広がり、子どもたちが外で遊ぶことなど当たり前の生活が奪われる深刻な事態が長期化していると指摘し、より安全・安心な環境を子どもたちに保障するために知恵と力をあわせることを呼びかけています。さらに、放射能汚染・被害から子どもを守ることは「国の最優先課題です」とのべて、政府に責任ある対応を求めています。


提言の柱は、①国の責任で、放射線量の調査・測定を徹底的に行い、情報を公開する②国の責任で、放射能検査体制を抜本的に強化し、食の安全を守る③放射能被害から子どもたちを守り、安心して学べる教育条件整備を一刻も早く行う④子どもたちに放射能・エネルギーの正しい認識を培う教育をすすめる⑤子どもたちの未来のために、原発から撤退し、自然エネルギーへの転換を行うーーの5つです。


北村氏は、提言をもとに今後、東電や国をはじめとした関係機関への要請、子どもにかかわる各種団体との懇談などをすすめ、放射能被害から子どもを守る幅広い運動を行いたいと話しました。

【2011年12月10日付「しんぶん赤旗 」に掲載】


松下ゆたかのコメント今回の全教の提言は大変重要です。政府や自治体まかせでは手遅れになります。子ども全体を“放射能から守る”立場にたって、民主的運動団体である全教がイニシアチブを発揮し、専門家の英知を総結集していくことが大事です。日本の将来への展望が開けてくる思いで、心から歓迎します。“未来は子どものモノ”です。力をあわせて、きれいな地球を子どもたちにバトンタッチしましょう。