<最終回>
前回の内容は・・・【宇野】フランスの思想家で革命家のバブーフは「真の平等の実現こそがコミュニズム」と定義したが、共産党はどう考えているのか?【志位
】社会主義の核心は生産手段の社会化です。社会科とは、生産手段の国有化、集団化で達成されるものではない。自覚的に結びついた生産者が、生産手段を管理、運営する過程に民主的に参加し、「生産者が主人公」になってはじめて社会化といえます。旧ソ連には国有化、集団化はありましたが、生産者は抑圧され、みじめな存在でした。社会主義とはまったく無縁の社会です。
◆<いよいよ最終回です>
【宇野】共産主義を現代的に再定義する必要はないでしょうか。最近、ソーシャルビジネスという言葉をよく聞きます。かつてソーシャルといえば社会主義の薫りがしましたが、いまは非営利の活動もソーシャルといわれ、魅力的な形で再定義されています。コミュニズム、共産主義とは、何かを共有し、真の平等を図るのが本来の意義だと思うのですが、現代では何を一番共有したいのか、何が真の平等と考えるのか。それこそ魅力的な再定義が必要では?
【志位 】私たちが目ざす未来社会の最大の魅力は、生産手段の社会化によって社会のすべての人々の自由な人間的発展を保障することにあります。マルクスはその根本条件に労働時間の抜本的な短縮をあげました。
【宇野】すべての人間の自由な発展というと、自由主義と重なる部分もありますが、共産主義たるゆえんはどの辺りに残るのでしょうか。
【志位 】個人の努力でなく、生産手段の社会化という社会の仕組みの変革によって、社会のすべての人々人間的発展を保障するということですね。資本主義社会では、自分を自由に発展させられる人はほんの一部です。私たちのめざす未来社会では、それがすべての人々のものとなります。
【宇野】資本主義が行き詰まっている現在、日本も世界も大きな転換期にあります。そこで共産党がどんな役割を果たすか。関心をもって見ていきたいと思います。<完結>