今でも重い病院や診療所での医療費窓口負担。さらにひどくなりそうです。野田内閣が、「税と社会保障の一体改革」という看板のもと、消費税は増税、社会保障も切り刻むーーという路線を進めているからです。踏んだりけったりの社会保障改悪の中身はひどいものになりそうです。厚労省が11月に社会保障審議会に示した案。次のような医療費の窓口負担増メニューが目白押しです。民主党は、いま国民の批判に動揺し、どこまで改悪に踏み切るか、世論の反応を見ています。
<改悪案の方向>
◆市販品類似薬の保険はずし
保険で出る薬を減らす案も。足をひねって受診したら「保険がきかない湿布薬は自分で買ってください」。風邪なら「うがい薬は自分で」「消炎鎮痛薬も自分で」となりかねません。街の薬局に行っても、3割負担ではすみません。国が決める薬価と違い、自由価格のため負担は数倍、数十倍という事態も。
◆外来受診のたび定額負担
外来で受診するたび、窓口負担が1回100円増えます。何度も受診する人は、毎回「ハイ、100円」。内科、歯科など違う診療科を受診する人は、行く先々で、「ハイ、100円」。一度導入すれば、これまでそうであったように、負担がどんどん増える可能性が。
◆食費や部屋代まで
入院した時の食費と部屋代(差額ベッドを除く)も、長期療養患者(65歳以上)と同様に、大幅に増やす案が検討されています。入院が長引くほど負担増に。厚労省資料によると、住民税課税世帯で1日920円、10日で9200円、1ヶ月で2万7600円の負担増。食費と部屋代は、高額医療費の対象になりません。
◆70~74歳の窓口負担2倍に
70~74歳の人の窓口負担は、現在の1割負担から2割負担に。70歳の誕生日を迎え「これからはいよいよ1割負担と喜んでいたら、「2割になりました」と言われ、がっかりすることに・・・
【2011年12月4日付「しんぶん赤旗 」に掲載】