千葉県木更津市のソーラーシリコンテクノロジー(SST)で、劣悪な労働条件の改善を求めて労働組合を結成したことから解雇された労働者11人が2日、解雇を撤回刺せ、」職場復帰することで会社側と和解しました。11人はJMIU(全日本金属情報機器労組)SST支部の組合員で、来年1月5日から復帰します。

組合員は「つき200時間働いても残業代はなし」「休日は月1回」など深刻な労働実態の改善、不払い残業代の支払いを求めて昨年5月、労働組合を結成。SSTはこれを敵視して同10月、一方的に解雇通知を送付し、解雇を強行しました。

SSTは経営上の都合による「整理解雇」を主張しましたが、千葉地裁木更津支部は今年3月、「整理解雇」と認めず、解雇無効とする仮処分を出しました。これを受け、組合と会社で解決に向けた交渉を続けていました。

SSTの手塚博文代表は、日本航空の稲盛和夫会長が操業した京セラの出身。同社は千葉県が出資する企業用地に誘致され、5年間で1億5000万円の助成を受けていました。

SST支部の諏訪充委員長は、「組合をはじめ、支援共闘会議の支援のおかげで、最後まで団結してたたかうことができました。働きやすい職場にするためにがんばりたい」と語っています。
【2011年12月3日付「しんぶん赤旗 」に掲載】

松下ゆたかのコメント

カール・マルクスは150年前に、資本主義の搾取の仕組みを解明しました。そして、1日24時間のうち、3分の1の8時間は労働に、3分の1の8時間は睡眠に、あとの3分の1は生活のために使おうと、長時間労働からの解放を呼びかけました。それから1世紀半も経つのに、「蟹工船」のような職場が後を絶ちません。SSTの労働者の勝利は、長時間労働で苦しむ多くの労働者に勇気と展望をプレゼントしてくれました。11人の労働者と支援されたみなさんにあっぱれ!