東京電力が青森県東通村で1月に着工した東通原発1号機について、建設を断念する公算が大きくなっていることが1日、分かりました。福島第1原発事故の賠償負担で、建設資金を確保する見通しがたたないためです。原発への不安が高まっている中で東電が断念すれば、建設を中断している中国電力島根原発3号基(松江市)、J
パワー(電源開発)、大間原発(青森県大間町)の計画などへの影響も予想されます。

東電は東通村で原発2基の建設を計画。1号基は出力138万5000㌔㍗と国内最大級で、2017年3月の運転開始をめざして着工しましたが、福島原発事故を受けて建設を中断していました。2号基の運転再開は20年以降の予定。

東電は総事業費を明らかにしていませんが、現時点では周辺施設の建設に着手したばかりで、費用が膨らむのはこれから。「原発事故の賠償で、建設資金を確保するのは極めて難しい」(政府関係者)とみられています。ただ、東電は「こうした事実はない」とのコメントを発表しています。
【2011年12月2日付「しんぶん赤旗 」に掲載】

松下ゆたかのコメント

東電が新たな原発の建設を断念することは喜ばしいことです。福島原発の事故の検証ができていない中では当然です。1基5000億円もするのに、事故の当事者まかせにしていること自体が問題です。政府が早く「脱原発」を宣言して、原発建設費用を凍結し、自然エネルギーを開発する費用に振り向けることを提案します。