大きな象が蜂の羽音を怖がるー。意外な性格を利用し、アフリカの畑を象の被害から守る方法を考え出した学者に22日、国連環境計画(UNEP)が賞を授与しました。ケニアでは、象に畑を荒らされる被害が少なくありません。英オックスフォード大の生物学者ルーシー・キング博士は、畑の周囲の棚と養蜂場を結び、像が柵のワイヤに引っかかると蜂が騒ぐ仕掛けを考案しました。

アフリカの草原で暮らす象は体重7トンにもなりますが、蜂の羽音が聞こえただけで逃げ出します。蜂は鼻の中など象の急所を知っているといいます。授賞式はノルウェー西部ベルゲンで行われました。UNEPのシュタイナー事務局長は「自然と対決するのではなく自然と共に、働きかけることで解決する課題は多いと証明してくれた」とキング博士の研究成果を絶賛しました。
【11月24日付「しんぶん赤旗 」に掲載】