カブトムシのさなぎは周囲にいる幼虫に、自分の部屋に近づかないよう、振動で警告しているー。東京大学の大学院生の小島渉さん、森林総合研究所の高梨琢磨主任研究員が突き止めました。
カブトムシの幼虫は群れとなって土の中を動き回り、腐葉土を食べて育ちます。初夏が近づくとさなぎとなり、よう室で羽化の時期を待ちます。よう室は腐葉土とカブトムシのふんでできていて、軟らかく壊れやすくなっています。
小島さんたちは、野外調査で、さなぎになる前の幼虫(体長6~7センチ)がよう室から6センチ程度の距離にいることをつきとめました。さなぎは幼虫によう室を壊されないよう工夫していると推測した小島さんたちは、さなぎが発する振動に注目しました。
カブトムシを含めていくつかの昆虫ではさなぎが振動を発することが知られています。カブトムシでは、人口飼育の容器に耳を近づけると、さなぎの発する振動が「トントン」という音として聞こえます。
同じ容器の土の中に、よう室内のさなぎと幼虫がいる状態を作って実験しました。生きたさなぎを入れた場合は、よう室が壊されることはありませんでしたが、死んださなぎを入れた場合は高い確率でよう室を幼虫に壊されました。よう室内のさなぎは、外から刺激を受けると背中をよう室の壁に打ち付けて振動を発すること、近くに幼虫がいると頻繁に振動を発することも分かりました。空のよう室のそばでさなぎの振動を再生するとよう室が壊されることはほとんどありませんでした。
小島さんは、「振動は、幼虫がよう室に近づくのを避けさせていると思われる。幼虫が嫌う振動なのかもしれない」と話しています。
カブトムシの幼虫は群れとなって土の中を動き回り、腐葉土を食べて育ちます。初夏が近づくとさなぎとなり、よう室で羽化の時期を待ちます。よう室は腐葉土とカブトムシのふんでできていて、軟らかく壊れやすくなっています。
小島さんたちは、野外調査で、さなぎになる前の幼虫(体長6~7センチ)がよう室から6センチ程度の距離にいることをつきとめました。さなぎは幼虫によう室を壊されないよう工夫していると推測した小島さんたちは、さなぎが発する振動に注目しました。
カブトムシを含めていくつかの昆虫ではさなぎが振動を発することが知られています。カブトムシでは、人口飼育の容器に耳を近づけると、さなぎの発する振動が「トントン」という音として聞こえます。
同じ容器の土の中に、よう室内のさなぎと幼虫がいる状態を作って実験しました。生きたさなぎを入れた場合は、よう室が壊されることはありませんでしたが、死んださなぎを入れた場合は高い確率でよう室を幼虫に壊されました。よう室内のさなぎは、外から刺激を受けると背中をよう室の壁に打ち付けて振動を発すること、近くに幼虫がいると頻繁に振動を発することも分かりました。空のよう室のそばでさなぎの振動を再生するとよう室が壊されることはほとんどありませんでした。
小島さんは、「振動は、幼虫がよう室に近づくのを避けさせていると思われる。幼虫が嫌う振動なのかもしれない」と話しています。