11月19日に東京・日本教育会館で開かれた「九条の会第4回全国交流集会」での大江健三郎(作家)さんのあいさつの一部を紹介します。

◆自民党の国会議員が“原発をなくすのは潜在的な抑止力をなくすこと”と言いました。(原発は)核で相手を脅かし、使用を思いとどまらせる武器だといっている。(日本は)憲法で武装しないといってきましたが、現に核爆弾をつくることができるし、それは核武装していることです。

憲法ができる前段階で日本人は、長崎、広島で大きな被害を受けました。核を用いられ、それをくり返すことはしないと考えているのが「憲法文化」です。核を持たないと自覚しているのは大きな文化です。

そこに、戦後のマイナスの要素がもう1つ加わったのが、福島(原発事故)です。子どもが内部被ばくでどうなるのかわからない。不安で生きていかねばならないのは、マイナスの遺産です。(戦後)50~60年、蓄えてきた力で、福島で起こっていることを最小限にとどめて、もう1度起こることがないように全力を尽くすことが「憲法文化」的な仕事です。
【11月20日付「しんぶん赤旗 」に掲載】

松下ゆたかのコメント

今朝、「九条の会」全国交流集会での大江健三郎さんのあいさつを、「しんぶん赤旗 」紙上で拝読しました。何回も読み直して、その含蓄ある内容を私なりに理解しました。これ程の大災害を発生させながら、原発推進をすすめる勢力の魂胆が、将来の核武装のための準備というのだから、許せません。大江さんの訴えを重く受けとめて、再び核の被害を防止するために、力をあわせましょう。