野田佳彦首相は10日夕に予定していた環太平洋連携協定(TPP)交渉参加を表明する記者会見を急きょ取りやめ、11日の衆院予算委員会での集中審議後に持ち込しました。野田首相は10日午後の政府民主3役会議の席上、TPP交渉参加に「慎重な判断」を求めた民主党の提言を踏まえ「皆さんのいろいろな思いを受け止めたい。1日考えさせてほしい」と表明。「まだ方向性を決めたわけではない」とも語りました。首相は11日に改めて3役会議を開き、その後、記者会見して判断を示します。

日本共産党志位和夫委員長 は10日夕、遊説先の大阪市内で記者団に問われ、「日本列島に大きく起こっているTPPへの暴走ストップという国民の批判と運動に追い詰められている状況だと思う。私たちは、野田首相に対しTPP参加の断念を決めるべきだと強く求めたい」と強調しました。
【11月11日付「しんぶん赤旗 」に掲載】

松下ゆたかのコメント

国会の論戦では、志位委員長 が代表質問と予算委員会の総括質問で、4つの問題点を追及しましたが、まともな答弁が出来ませんでした。多くの国民は、政府が説明責任を果たしていないことから、「よく分からない」「拙速に交渉参加をすべきでない」と考えている人も多数に上っています。こうした状況のもとで、APECという国際会議の場で「交渉参加」を表明することは議会制民主主義に反するものです。交渉に入る前に「絶対に譲れないもの」をはっきり示すべきです。それもできないというのであれば、野田首相の言う「国益」は、日本の国益ではなく、アメリカの国益だけに貢献することになるのではないでしょうか?いずれにしても現時点での「交渉参加」表明はやめるべきです。