日本有数のカキ産地の宮城県で29日、東日本大震災後初めて、養殖カキの水揚げがいっせいに始まりました。震災で壊れた加工施設の復旧に時間がかかり、例年より1ヶ月遅れのスタート。31日には小売の店頭に並ぶ予定で、水産関係者は「地元漁業の復興の証し」と話しています。

震災の津波で、県内のカキ養殖施設はほとんど流出。しかし、石巻市の万石浦などで、養殖に使う種ガキが運よく残っているのが見つかり、5月から養殖を再開していました。

ただ、多くのカキが津波で流され、今期の生産量は約450トンと予想。「例年の1割程度しかない」(県漁協協同組合)といいます。石巻市の県漁協石巻湾支所では、29日早朝から約50隻の漁船が出港。養殖業者らは船上で、立派に育ったカキがつるされたロープを次々と引き揚げました。
【10月30日付「しんぶん赤旗 」に掲載】

松下ゆたかのコメント

大震災と津波によって、家も財産も港もふるさとも失い、海岸線はかれきの山と化すなかで、「よく頑張ったね」と讃えてあげたい。幸い海は回復しつつあります。苦境のなかで頑張っている漁民を後ろから海に突き落とす「漁業特区」などに負けないで、復興の先頭に立って頑張ってほしい。石巻の漁民のみなさんに大あっぱれ!