貧困と格差への抗議デモが15日、アジアや欧米など世界82カ国951都市(主催者発表)で行われました。ニューヨークから始まった、格差社会のあり方に抗議し公正な社会をめざす声は、巨大なうねりとなり世界を包み込みつつあります。


ニューヨークと並ぶ国際金融都市ロンドンでは、「我々は99%だ」と唱和しながら、約3000人が警官隊に封鎖されたロンドン証券取引所周辺で抗議行動を繰り広げました。参加したサラ・グリムストンさんは「1%の金持ちが世界を支配し、99%が犠牲になっている。今の制度はうまくいっていない」と抗議の声を上げました。


ロイター通信によると、緊縮政策で市民生活が圧迫されているポルトガルの首都リスボンでは、2万人以上が「これ以上銀行を救済するな」などと書かれた横断幕を手に大通りをデモ行進しました。スペインの首都マドリードでは約2000人が、「痛み止め(資金投入)はもう十分、銀行に安楽死を」などのプラカードを掲げデモ行進。電話会社で働くファビアさん(44)は「もし住宅ローンが払えなかったら銀行は家を取り上げる。でも、銀行にはあいまいな理由で何十億ユーロも資金注入している。これは公正ではない」と訴えました。イタリアの首都ローマ中心部では数万人が数キロにわたり行進。


そのほかオーストラリアのシドニーでは2000人がデモに参加。地元メディアによると、主催者は「世界経済を支配し選挙の投票にまで影響を与える勢力に、我々は挑戦しなければならない」と述べました。

反格差運動の発祥の地となった米国ではこの日、100ヶ所以上でデモが組織され、アジアでは東京やソウル、香港などでも集会やデモが行われました。

【10月17日付「しんぶん赤旗 」に掲載】


松下ゆたかのコメント

不破哲三 さんの書いた『マルクスは生きている』を読み直した。150年前に活動したカール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスが、もし生きていたら歓喜し、各国を回り、集会であいさつし、デモ行進の先頭に立っていることだろう。『資本論』がベストセラーになってもおかしくない。1%の大金持ちの飽くなき利潤追求が99%の貧者を苦しめている資本主義にこそ、メスを入れなければならない時代の到来ではないか?


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