地球温暖化による海面上昇で、国土が沈みつつある南太平洋の島国キリバスでは、人工島を造り、約10万人の全国民を移住させる計画を政府が検討しています。9月上旬にニュージーランドで開かれた太平洋島しょ国会議(PIF)。「われわれには選択肢がなくなりつつある」と訴えたキリバスのアノテ・トン大統領が各国首脳に人工島への移住計画を紹介しました。
同大統領によると、人工島は海底油田の上に浮かぶ石油プラットホームをイメージしており、総工費は20億ドル(約1530億円)の見込み。大統領は「もし家族とともに海に沈む状況に直面したら、どうするか。人工島に行くかどうか。私の答えはイエスだ」と話しています。
人工島建設以外に、海岸に壁を造り、海水の浸食を防ぐ案もあります。費用は10億ドルかかります。また、国民を他国へ移住させる案もあり、先進諸国にキリバス国民の職業訓練や語学習得への支援を求めています。
キリバスは、赤道付近の海域に広がって存在する33の環礁からなります。最も高い場所でも海面からの高さはわずか2メートルほどで、このまま海面上昇が進めば、ほとんどの場所が海に沈みます。すでにいくつかの村は水没から逃れるため移動したといいます。耕地の水が塩水に汚染され穀物が育たなくなるなど、海水の浸食は年々深刻になっています。
島しょ国会議前にキリバスを訪問し、浸食の実態などを視察した国連の藩基文(パン・ギムン)事務総長はこう述べました。「地球温暖化が遠い未来の話だと思っている人がいたら、キリバスに招待したい。地球温暖化は、私たちの足もとに打ち寄せている」
<9月30日付「しんぶん赤旗」に掲載>
同大統領によると、人工島は海底油田の上に浮かぶ石油プラットホームをイメージしており、総工費は20億ドル(約1530億円)の見込み。大統領は「もし家族とともに海に沈む状況に直面したら、どうするか。人工島に行くかどうか。私の答えはイエスだ」と話しています。
人工島建設以外に、海岸に壁を造り、海水の浸食を防ぐ案もあります。費用は10億ドルかかります。また、国民を他国へ移住させる案もあり、先進諸国にキリバス国民の職業訓練や語学習得への支援を求めています。
キリバスは、赤道付近の海域に広がって存在する33の環礁からなります。最も高い場所でも海面からの高さはわずか2メートルほどで、このまま海面上昇が進めば、ほとんどの場所が海に沈みます。すでにいくつかの村は水没から逃れるため移動したといいます。耕地の水が塩水に汚染され穀物が育たなくなるなど、海水の浸食は年々深刻になっています。
島しょ国会議前にキリバスを訪問し、浸食の実態などを視察した国連の藩基文(パン・ギムン)事務総長はこう述べました。「地球温暖化が遠い未来の話だと思っている人がいたら、キリバスに招待したい。地球温暖化は、私たちの足もとに打ち寄せている」
<9月30日付「しんぶん赤旗」に掲載>