EU(欧州連合)の執行機関の欧州委員会は28日、金融取引税の導入を加盟国と欧州議会に提案しました。発効には、欧州議会の議決と加盟国の承認が必要。2014年1月の導入をめざします。

提案内容は、域内27カ国の金融機関が関わる株式と債権の取引に0・1%、デリバティブ(金融派生商品)の0・01%を課税し、税収をEU予算と加盟国に配分。年に570億ユーロ(約6兆円)を見込んでいます。

欧州委員会のバローゾ委員長は同日、欧州議会で演説し、「(金融危機後)過去3年間に加盟国や納税者は金融部門に4・6兆円ユーロ相当の資金拠出や保障を与えてきた。金融部門が社会に出資を戻すときが来た」と強調しました。

金融取引税は、金融取引の規制と危機を引き起こした側の責任という2つの点から、各国の労組や市民団体が求めてきました。マイクロソフト社創始者のビル・ゲイツ氏は23日、貧困国開発援助のため金融取引税導入に支持を表明しています。
<9月30日付「しんぶん赤旗」に掲載>

【松下ゆたかのコメント】石油や食料への投機によって、物価の値上がりや経済の混乱が繰り返し引き起こされ、世界中の人びとが苦しんできました。その結果、富める人間(国)はます ます富み、貧しい人間(国)はさらに貧しくなり、世界経済がますます行き詰まり、「世界恐慌」の”蟻地獄”にずり落ちていく、そんな感じがしていました。 今回のEUの「金融取引税」の提案は、さすが「資本主義の本家」と実感しました。資本主義の宿命的大問題の打開に結びつくか注目しています。私は、”金は 天下のまわり物”が経済好転への基準でなくてはならないと考えます。