昨年25周年を迎えたクイズ番組「世界ふしぎ発見!」(TBS系)が17日に、1200回を突破しました。長寿の秘訣は何か。テレビや映画、演劇、音楽の気になるところを探る「芸能探検」。今回は「世界ふしぎ発見」の舞台裏に、「赤旗 」日曜版が迫ります。

番組は、1986年に始まりました。一貫した基調は「歴史と遊ぶ」。ミステリーハンターと呼ばれるリポーターの現地取材と、現地からミステリーハンターが出題するクイズをスタジオの回答者が答える構成になっています。クイズは、わずか3問。(当初は5問)草創期から番組に携わるテレビマンユニオンの岩垣保プロジューサーは、「クイズ番組の多くは、″広く浅く”ですが、僕らはたとえ狭くなったとしても、″深く”やろうと思ってやってきた」と語ります。

取材すればするほど増える情報。世界中の学者とつながることで、最先端の情報が得られ、さらに次のテーマが見つかることもあるといいます。苦労するのは、情報の精査です。得てして面白い情報はガセネタである場合も多く、調査につぐ調査が必要になります。そこで活躍するのが6人のリサーチャーです。テーマが決まった段階で、関連情報を集めるために図書館に走ったり、学者に取材したり。担当して26年目の成田慈子さんは、20館ほどの図書館の貸し出しカードを持っています。作業場には、テーマごとに20冊から30冊の本やコピーの束が箱にぎっしり。そこからクイズのネタを探します。留意点は、「正解が証明できるか。映像で撮れるか。知識クイズになっていないか」(成田さん)

スタッフが集まってクイズを決め、いざロケに行ったけれど、現場で違っていたことも良くあります。「インターネットは情報量が多いように見えて人の写し、ということが多い。文献も安全ではありません。6冊の本に書かれた情報が、全てある英語の本の孫引きで事実ではなかったこともありました」と岩垣さん。

ディレクターは約10人。年間の企画は、年末に全員から募集して、投票します。企画は無記名なので、誰が出したかはわからないようになっています。「ベテランでも努力しないと、いつでも突き落とされる。60になっても20代とたたかわなきゃいけません」。いったん決まった企画も、最後まで生き残るとは限りません。世間の関心がどこにあるか。時代の流れはどうなっているか。常に「風を見る」ことが大事といいます。

本物へのこだわりも並々ならぬものがあります。″ローマ対カルタゴ”の戦いを再現するときには、チュニジア政府に5000人の兵を貸してほしいと交渉。政治情勢で実現はままなりませんでしたが、60人で戦いを再現することができました。「みんなが見たこともない面白い映像を見せたい。それで、みんなを驚かせたい。自分たちが面白いと思っていることを、人びとが面白いと思ってくれれば最高なわけで・・・」まさに、、″歴史と遊ぶ”です。

毎回、約10冊の本を読んで番組に臨む黒柳徹子さんは、こう語りました。「私の中学時代は、教科書に墨が塗られて、ちゃんと歴史を教わっていないんです。それがコンプレックスで、死ぬまでには歴史を勉強したいと思っていました。クイズ番組には出まいと思っていたんですが、お勉強になることがわかったので、お引き受けしました。

【松下ゆたかのコメント】語りたいことは多々ありますが、よく全文を載せることができたと喜んでいます。これで、番組への」興味も尽きなくなっていただければ幸いです。9月25日の日曜日は、大いに楽しんで見てください。成績がたとえ悪くとも頑張っている野々村真さんにあっぱれ!