アメリカでも日本でもヨーロッパでも深刻な財政難です。しかし、欧米と日本では財政難を解決する考え方が天と地ほども違うのです。9月25日号の「しんぶん赤旗 」日曜版では、ヨーロッパとアメリカの富裕層が、真剣に自国の財政難を解決するために行動を起こしていることを報じています。

◇ヨーロッパ=ドイツの「資産課税を求める資産家たち」(資産家50人のグループ)の発起人で、医師を引退したディーター・レームクール氏は8月29日、「赤字解決の打開策は、貧困層に痛手となる予算削減ではなく、富裕層への増税だ」と呼びかけました。また同団体も、「最富裕層が2年間、5%の富裕税を払えば、ドイツは1千億ユーロ(約10兆5千億円)の税収を増やせる」と提案しました。

イタリアの高級自動車会社フェラーリ会長のルカ・ディ・モンテゼモロ氏は8月、伊紙レププリカの取材に対し、「(負担増は)最富裕層から始めるべきだ。中間層に求めるのは恥ずべきことだ」と答えています。

フランスの化粧品大手ロレアルの最大株主リリアン・ベタンクール氏や航空会社エール・フランスKLM会長のジャン・シリル・スピネッタ氏ら大企業トップ16人は8月、仏紙「ヌーベル・オプセルバトゥール」に、連名で政府宛嘆願書を掲載しました。「国の借金増加がフランスと欧州の未来を脅かし、政府が連帯税を国民に求めるときは、われわれ(富裕層)の貢献が必要であろう」。

【松下ゆたかのコメント】
字数が増えるので割愛したが、アメリカもヨーロッパとほぼ同じ。そして、各国政府は富裕層への増税を検討している。ところが日本の財(罪)界だけは、「我々金持ちに減税せよ」「消費税を引き上げよ」と叫び、野田内閣も「2010年代に消費税を10%」と打ち出している。原発のあり方でも、財政難の解決のあり方でもまるで違う。まさに、日本の常識=世界の非常識である。政治家こそ、真っ先に「政党助成金」を廃止すべきではないでしょうか?